📋 この記事でわかること
30歳。妊活1年目に測ったAMHは3.17。「まあ普通かな」と思っていたら、1年後の再検査で2.27に下がっていた。その日から「焦らなくていい、でも急いだほうがいい」という矛盾した気持ちと向き合うことになりました。
AMHとは何か(わかりやすく)
AMH(抗ミュラー管ホルモン)は、卵巣にどれくらい卵子の「在庫」が残っているかを示す指標です。血液検査で測れます。
「卵巣年齢」と呼ばれることもありますが、正確には「卵巣の残存卵胞数(=将来使える卵子の数)の目安」です。卵子の"質"はわかりません。
✅ わかること:残っている卵子の量(在庫)
✅ わかること:閉経までの時間の目安
❌ わからないこと:卵子の質(染色体異常の有無など)
❌ わからないこと:今すぐ妊娠できるかどうか
参考:日本産科婦人科学会「卵巣予備能とAMH」
年齢別のAMH正常値
| 年齢 | AMH中央値の目安 | コメント |
|---|---|---|
| 25〜29歳 | 3.0〜4.5 ng/mL | 比較的高め |
| 30〜34歳 | 2.0〜3.5 ng/mL | 平均的 |
| 35〜39歳 | 1.0〜2.5 ng/mL | やや低下傾向 |
| 40〜44歳 | 0.5〜1.5 ng/mL | 低下が顕著 |
AMHは個人差が大きく、同じ年齢でも2〜3倍の差があることは普通です。また、測定機関・測定法によって数値が変わるため、同じ施設で継続的に測ることが大切です。
参考:日本卵子学会・AMH測定に関するガイドライン
私がAMH低下を告げられた日
妊活を始めてほぼ1年後、改めて精密検査を受けることにしました。夫のほうにも問題があるかもしれないと思って、一緒に受けたのが正解でした。
私のAMH検査結果は「2.27 ng/mL」。1年前に別のクリニックで測ったときは3.17だったので、「あれ、下がった?」と聞くと先生は「1年でこれだけ変わることはよくあります。ただ30歳でこの値は少し低めですね」と。
正直、その瞬間は「少し低め」という言葉が頭の中でぐるぐると回りました。「少し」ってどのくらい?「よくある」って、でも私の卵子は確実に減っているということ?
帰り道に検索しまくりました。「AMH2.27 30歳」「AMH低い 妊娠できる」「AMH下がった 治療」……でてくる情報がバラバラすぎて、逆に不安が増しました。
今ならわかります。AMH2.27という数値だけで「妊娠できないか否か」は決まらない。でもあの夜は怖かった。
AMHが低いと何が変わるか
AMHが低いと「卵子の在庫が少ない」ということなので、主に以下の点で治療方針が変わります。
| 影響する点 | 内容 |
|---|---|
| 治療の緊急度 | 在庫が少ないほど「早めに動いたほうがいい」と判断されやすい |
| 体外受精への移行 | AMHが低い場合、人工授精よりも体外受精を先に検討するケースも |
| 採卵できる卵子の数 | 体外受精時に採れる卵子の数が少なくなる可能性 |
| 卵巣刺激の反応 | 排卵誘発剤への反応が鈍くなることがある |
AMHが低くても卵子が0になったわけではありません。1回の周期で妊娠に必要な卵子は1つだけ。「在庫が少ない=妊娠できない」ではなく、「時間が大切」という意味に受け取るのが正確です。
低かったときにできること
① まず担当医と「次の1手」を相談する
AMHの数値を見て自分で判断するより、担当医に「この数値でどの治療法が最適か」を聞くのが一番です。私はその場で先生に「人工授精を何回まで試みてから体外受精を検討しますか?」と聞きました。
② DHEA・CoQ10などのサプリを検討する
AMHは基本的に上がらないとされていますが、卵子の質改善のためにDHEA(デヒドロエピアンドロステロン)やCoQ10(コエンザイムQ10)を勧めるクリニックもあります。使用前に必ず医師に相談を。
③ 生活習慣を整える
喫煙は卵巣年齢を加速させることが知られています。また、極端なダイエットや睡眠不足も卵巣機能に影響する可能性があります。できることからで十分です。
④ 数値より「次に進む」ことを優先する
AMHの数値に振り回されすぎず、「今できる治療を続ける」ことが一番大事です。数値を下げることに意識を向けるより、「今の卵子を大切に使う」という意識で。
気持ちの整理の仕方
AMH低下を告げられたとき、私がやってよかったことを書きます。
1. 「低い」の定義を調べた。2.27という数値は、30歳の平均より少し低めですが、「低卵巣予備能」の定義(一般的に1.0以下)には全然当てはまらない。「少し低め」は「危機的に低い」じゃないと整理できました。
2. 夫に正直に話した。「ちょっと卵子の数が少ない目かもしれない」と伝えました。「じゃあ早めにいろいろ試そう」という言葉が、なぜか一番安心しました。
3. 「今日できることをやる」にフォーカスした。AMHは下げることはできないけど、今日の治療に集中することはできる。焦りと向き合いながらも「今日の行動」に集中するようにしました。
参考資料
- 日本産科婦人科学会「卵巣予備能に関する資料」
- 日本卵子学会「AMH測定ガイドライン」
- 国立成育医療研究センター「不妊と妊活」