30歳、大阪在住。タイミング法でうまくいかず、フーナーテスト0・AMH低下をきっかけに人工授精へステップアップ。現在3回目まで経験しています。当事者として感じたことを正直に書きます。
人工授精とは?簡単におさらい
人工授精(AIH: Artificial Insemination with Husband's semen)とは、排卵日に合わせて精子を子宮内に直接注入する治療法です。
タイミング法との違いは「精子を洗浄・濃縮してから子宮内に届ける」こと。精子が卵子に辿り着きやすくなるため、フーナーテスト(性交後試験)で精子の遡上が少ない場合や、原因不明不妊に対して選択されることが多いです。
| 治療法 | 精子の届け方 | 1周期の妊娠率 |
|---|---|---|
| タイミング法 | 自然な性交渉 | 10〜15%程度 |
| 人工授精 | 子宮内に直接注入 | 5〜10%程度 |
| 体外受精 | 体外で受精→子宮に戻す | 20〜40%程度 |
参考:日本産科婦人科学会「ART(生殖補助医療)に関する登録・調査」
実際にかかった費用
私のクリニック(大阪・保険適用あり)での実際の費用です。保険適用になった2022年以降、人工授精は保険で受けられるケースが増えました。
| 項目 | 費用(3割負担) |
|---|---|
| 人工授精処置代 | 約5,000〜7,000円 |
| 超音波検査(排卵確認) | 約1,500〜2,000円 |
| 精液検査 | 約1,500〜2,000円 |
| 排卵誘発剤(使用する場合) | 約500〜2,000円 |
| 1回あたりの合計目安 | 約10,000〜15,000円 |
・法律婚または事実婚のカップル
・女性が43歳未満
・通算6回(40歳未満は通算3回)まで保険適用
3回やった総額は約3万5,000円ほど(排卵誘発剤あり)。保険適用前は1回3〜5万円が相場だったことを考えると、本当に助かりました。
当日の流れと所要時間
「どんな感じで進むの?」と不安な方へ、私の場合の当日の流れを書きます。
当日の流れ(所要時間:1〜1.5時間)
| 時間 | 内容 |
|---|---|
| 受付 | 受付・問診票記入 |
| 待合 | 精液提供後、精子の洗浄・濃縮処理(30〜45分) |
| 処置室 | 注入処置(5〜10分) |
| 処置後 | 安静(10〜15分)→会計→帰宅 |
思ったより短い!処置そのものは5〜10分で終わります。ただし精子を洗浄する待ち時間があるので、トータルで1〜1.5時間は見ておくといいです。
痛みはどのくらい?
「痛い」と聞いて怖かったんですが、実際は「強い生理痛のような鈍い痛みが数秒」という感じでした。
個人差はありますが、私は1回目が一番緊張して体に力が入ったせいか少し痛かった。2回目・3回目はリラックスできていたので、「あ、もう終わり?」という感覚でした。
・軽い下腹部の張り感(数時間で落ち着くことが多い)
・少量の出血・おりもの(問題なし)
・まれに子宮収縮で強めのけいれん感
判定日までの過ごし方(一番つらかった)
正直、処置より判定日までの2週間が一番きつかったです。
毎回「もしかして…?」という希望と「また陰性かも」という不安が交互にやってきて、胸が痛い。体の変化を感じるたびに「これは妊娠初期症状?それともプロゲステロンの副作用?」と検索しまくる日々。
3回やってわかったのは、「検索しても答えは出ない」ということ。焦らず過ごすことが一番大事で、それが一番難しい。
・判定日まで検索しない(ルール化)
・好きなことに時間を使う
・「結果は変えられない、今日を生きる」と言い聞かせる
・夫に正直に「不安」と伝える
3回やってわかったこと
① 毎回「初めて」の緊張感は薄れる
1回目は何もわからず怖かったけど、2回目・3回目は「ああ、これくらいか」と落ち着いて受けられました。経験が積み重なるほど、処置そのものへの不安は減ります。
② 「なぜ人工授精にしたか」を理解しておくと強い
私の場合はフーナーテスト0が主な理由でした。「精子が子宮内に届きにくいから、人工授精で直接届ける」という理由がわかっていると、「意味のある治療をしている」という実感が持てて精神的に違います。
③ 陰性の後の落ち込みは「正常」だと知っておく
3回とも陰性で、毎回落ち込みました。でも落ち込んでも1〜2日で「また来月」という気持ちになれた。落ち込むことは失敗じゃない。落ち込めるくらい本気でやっているということだと思うようにしました。
④ 担当医と相談する回数が増えるほど安心できる
2回陰性後、先生に「いつ体外受精に進むべきか」と聞きました。「今は3〜6回やってみましょう。ただし卵管因子があれば早めに検討を」という答えをもらえて、先が見えた気がして楽になりました。
次のステップ(体外受精)について
人工授精の成功率は1回あたり5〜10%。6回チャレンジしても累積で3〜4割が目安です。「何回まで人工授精を続けるか」はクリニックや状況によりますが、一般的には3〜6回で体外受精を検討するケースが多いです。
私も今後の選択肢として体外受精を考え始めています。費用・流れ・成功率については別記事でまとめます。
人工授精って、始める前は「どんな感じ?」という情報が少なくて怖かった。体験談を探しても古いものが多くて。これを読んで「なんかイメージ湧いた」と思ってもらえたら嬉しいです。同じ道を歩んでいる方へ、一緒に頑張りましょう。
参考資料
- 日本産科婦人科学会「ARTデータブック」
- 厚生労働省「不妊治療に関する支援」
- 国立成育医療研究センター「不妊治療について」